2026年にフルモデルチェンジした新型メルセデス・ベンツ「CLA」。
スタイリッシュなデザインや新世代プラットフォーム「MMA」、最新のMB.OSなどが注目されていますが、長距離ドライブをする人にとって気になるのが、ACC(アダプティブクルーズコントロール)や運転支援機能がどこまで進化したのかではないでしょうか。
新型CLAには、新世代の運転・駐車支援システム群「MB.DRIVE」を採用。
ACCに相当するディスタンスアシスト・ディストロニックだけでなく、ステアリングアシストやレーンチェンジアシストなどを組み合わせ、高速道路から渋滞までドライバーをサポートします。
そしてACCで特に注目したいのが、完全停止後の再発進性能です。
2026年CLAの取扱説明書では、一定の条件を満たせば、停止後最大120秒以内に先行車が動き出した場合、自動的に追従再発進できることが記載されています。旧型CLAの取扱説明書では30秒だったため、渋滞時の使い勝手は大きく進化しています。
今回は、新型CLAのACCを中心に、安全・運転支援機能を詳しく見ていきます。
※この記事は2026年8月26日時点で確認できる日本向け発表資料およびメルセデス・ベンツの2026年CLA取扱説明書をもとにしています。機能の一部はグレード、装備、国・地域、デジタルプロダクトの契約状況などによって異なる場合があります。
新型CLAのACC・運転支援機能を一覧でチェック
まず、新型CLAで注目したい機能をまとめると次のようになります。
| 機能 | 主な役割 |
|---|---|
| ディスタンスアシスト・ディストロニック | 先行車との車間距離・速度を自動調整 |
| 完全停止 | ○ |
| 停止後の自動再発進 | ○ 条件付きで最大120秒以内 |
| ステアリングアシスト | 車線中央付近を走行するよう操舵を支援 |
| レーンチェンジアシスト | ウインカー操作による車線変更を支援 |
| レーンキーピング機能 | 車線逸脱を監視・支援 |
| ブラインドスポットアシスト | 後側方の車両などを監視 |
| Emergency Stop機能 | ドライバーが反応しない場合に停止を支援 |
| ATTENTION ASSIST | 居眠り・注意力低下などを監視 |
| Traffic Sign Assist | 標識などの情報を認識 |
| MB.DRIVE PARKING ASSIST | 駐車操作を支援 |
| 360°カメラ | 車両周囲を映像で確認 |
新型CLAには8つのカメラ、5基のレーダー、12個の超音波センサーと高性能コンピューターが搭載され、これらを使って車両周囲を監視します。日本向けの新型CLAでは「MB.DRIVE」「MB.DRIVE ASSIST」が採用されています。
新型CLAのACC「ディスタンスアシスト・ディストロニック」はかなり優秀
メルセデス・ベンツではACCを「ディスタンスアシスト・ディストロニック」と呼んでいます。
基本的な働きは一般的なACCと同じで、
設定速度を維持 → 遅い先行車に追いつく → 車間距離を確保して減速 → 先行車が加速すると再び加速
という一連の速度制御を自動で行います。
2026年CLAの取扱説明書では、ディストロニックは前方車両を検知すると設定した車間距離を維持し、必要に応じて完全停止まで自動的に減速すると説明されています。
また、通常の設定速度範囲はおおむね約20~210km/hとされています。これは「20km/h以下で追従できない」という意味ではなく、ACC作動中は渋滞に合わせて0km/hまで減速・停止できます。
最大の注目ポイントは「停止後120秒以内の自動再発進」
新型CLAのACCで最も注目したいのがここです。
ディストロニックによって先行車に続いて完全停止した場合、2026年CLAの取扱説明書には、
先行車が120秒以内に発進すれば、ドライバーの注意状態が確認できることなどを条件として自動的に再発進できる
と記載されています。
つまり、信号待ちというよりも、
- 高速道路の渋滞
- 断続的なストップ&ゴー
- 料金所付近の混雑
- 都市高速の渋滞
といったシーンで非常に便利です。
特に注目したいのが旧型との違い。
旧型CLA(C118)の取扱説明書では、ディストロニックによる停止後に自動追従再発進できる時間として30秒以内という記載があります。新型ではこれが最大120秒まで延びています。
| ACCの違い | 旧型CLA | 新型CLA |
|---|---|---|
| 先行車追従 | ○ | ○ |
| 完全停止 | ○ | ○ |
| 停止保持 | ○ | ○ |
| 自動追従再発進 | ○ | ○ |
| 取扱説明書上の再発進時間 | 最大30秒 | 最大120秒 |
| ステアリング支援 | ○※装備による | MB.DRIVE ASSIST |
| 車線変更支援 | ○※仕様による | レーンチェンジアシスト |
もちろん道路状況やドライバー監視など作動条件がありますが、ACCを頻繁に使う人にとって120秒への延長はかなり大きな進化といえるでしょう。
MB.DRIVE ASSISTでACC+ステアリング+車線変更を連携
新型CLAの魅力はACC単体ではありません。
「MB.DRIVE ASSIST」では、ディストロニックとステアリングアシストを組み合わせることで、速度だけでなく横方向の運転もサポートします。
ステアリングアシスト
ディストロニック作動中、カメラで車線や先行車を認識しながら、CLAが車線中央付近を走れるようステアリング操作をアシストします。
2026年CLAの取扱説明書では、車線だけでなく前走車も参考にしながら操舵を支援すると説明されています。
また状況によっては、緊急車両の通過スペースを確保する「エマージェンシーコリドー」を形成する際の支援も行います。
高速道路では、
アクセル → CLA
ブレーキ → CLA
車間調整 → CLA
ステアリング → CLAがアシスト
という状態になるため、長距離走行での疲労軽減が期待できます。
ただし自動運転ではありません。
取扱説明書でも、ドライバーは常にステアリングに手を添え、交通状況を監視する必要があるとされています。急カーブや交差点、ラウンドアバウトなどでは支援できない場合があります。
レーンチェンジアシスト
新型CLAでは「レーンチェンジアシスト」も採用されています。
高速道路などで条件が整っている場合、ドライバーがウインカーを操作すると、センサーで隣車線の安全を確認しながらステアリング操作を支援して車線変更します。
隣車線に車両や障害物が検知された場合などは車線変更を中止します。
日本向け新型CLAについても、メルセデス・ベンツの発表内容を伝える資料では、ウインカーレバー操作による高速道路でのレーンチェンジ支援が確認されています。
ここは誤解しやすいポイントですが、2026年8月26日時点で日本向けCLAについて公式に確認できるのは、ウインカー操作をきっかけに車線変更を支援する機能です。
海外で展開される上位の「MB.DRIVE ASSIST PRO」と同じ、市街地を含め目的地まで広範囲に運転を支援するシステムとは区別して考えたほうがよいでしょう。
安全運転支援も新世代へ
ACC以外にも新型CLAには多数の安全支援機能があります。
特に興味深いのがドライバー監視です。
ATTENTION ASSIST
ATTENTION ASSISTは長時間運転などでドライバーの疲労や注意力低下を検知し、休憩を促すシステムです。
新型CLAの取扱説明書では、車内のマルチファンクションカメラを利用したドライバーのわき見検知にも対応。
さらに居眠りや注意力低下に対する警告へドライバーが反応しない場合には、Emergency Stop機能につなげる仕組みも記載されています。
単純に「眠そうだから警告する」だけではなく、ドライバーの反応まで含めて安全を確保しようとしている点が新世代CLAらしいところです。
ブラインドスポットアシスト
後側方を監視し、死角にほかの車両などが存在する場合にドライバーへ警告。
高速道路での車線変更時にはレーンチェンジアシストとも相性のよい装備です。
2026年CLAの取扱説明書には「Blind Spot Assist with exit warning」も掲載されており、走行中だけでなく降車時の安全確認も支援するシステム構成となっています。
レーンキーピング機能
意図せず車線から外れそうになった場合に車線逸脱を検知し、安全運転をサポートします。
これは先ほどの「ステアリングアシスト」と似ていますが、役割は少し異なります。
ステアリングアシスト=車線中央付近を走り続けるための運転支援
レーンキーピング=意図しない車線逸脱を防止・警告するための安全支援
と考えると分かりやすいでしょう。
駐車支援「MB.DRIVE PARKING ASSIST」も進化
新型CLAのMB.DRIVEは走行中だけではありません。
駐車支援には「MB.DRIVE PARKING ASSIST」が用意され、車両の両側にある駐車可能なスペースを早い段階から検知し、駐車操作を支援します。
さらに「MB.DRIVE PARKING ASSIST 360」では、360°カメラによるサラウンドビューを利用可能。
低いボディとクーペスタイルを採用するCLAだけに、狭い駐車場では360°カメラがかなり役立ちそうです。
新型CLAのACCはライバルと比べても魅力的
新型CLAのACCで高く評価したいのは、単に「先行車について走る」という段階から進んでいることです。
特に、
完全停止
+停止保持
+最大120秒以内の自動追従再発進
+ステアリングアシスト
+レーンチェンジアシスト
という組み合わせは、高速道路や渋滞を頻繁に走る人にとって大きなメリットがあります。
例えば渋滞中、
「発進 → 数十メートル進む → 停止 → 1分ほど待つ → また発進」
という状況でも、条件が整えばACCを利用したストップ&ゴー走行を継続しやすくなります。
旧型の30秒から新型の120秒に延びたことを考えても、今回のCLAでは日本の渋滞環境でも実用性の高いACCへ進化したと考えられます。
MB.DRIVE ASSIST PROは日本でも使える?
ここは注意が必要です。
メルセデス・ベンツはさらに上位となる「MB.DRIVE ASSIST PRO」を開発しており、ナビゲーションと運転支援を融合。市街地を含め、より広い範囲でSAEレベル2の運転支援を行うシステムです。
2026年1月7日のメルセデス・ベンツ公式発表では、中国ですでに展開され、米国への導入も進めることが公表されています。
一方、2026年8月26日時点で新型CLA向けMB.DRIVE ASSIST PROの日本導入を示す公式発表は確認できません。
そのため、日本仕様の新型CLAについて「市街地でも目的地までほぼ自動で走ってくれる」と考えるのはまだ早いでしょう。
現時点では、
ディストロニック+ステアリングアシスト+レーンチェンジアシスト
を中心としたMB.DRIVE ASSISTが、日本仕様を見るうえでのポイントになります。
まとめ|新型CLAはACCを重視する人にもかなり魅力的
2026年に登場した新型メルセデス・ベンツCLAは、デザインや電動化だけでなく、ACC・運転支援システムも大きく進化しています。
特に注目したいポイントは、
- ディスタンスアシスト・ディストロニックを搭載
- 先行車に合わせて完全停止まで対応
- 条件を満たせば停止後最大120秒以内の自動追従再発進
- ステアリングアシストを組み合わせた車線中央維持支援
- ウインカー操作によるレーンチェンジアシスト
- 8カメラ+5レーダー+12超音波センサー
- ATTENTION ASSISTによるドライバー監視
- Emergency Stop機能
- 360°カメラを利用した駐車支援
などです。
中でも、ACC停止後の自動再発進が旧型の30秒から新型では最大120秒へ延長された点は、渋滞追従を重視する人にとって見逃せない進化でしょう。
新型CLAは「ACCが付いているクルマ」というより、ACC・操舵支援・車線変更支援を連携させ、高速道路での運転そのものを総合的にサポートするクルマへ進化したといえそうです。
ただし、これらはあくまで運転支援システムであり自動運転ではありません。天候や車線状態、センサーの汚れ、道路形状などによって作動しない場合があるため、運転の主体は常にドライバーです。
参考資料・確認日
- メルセデス・ベンツ日本「新型『CLA』、新型『CLAシューティングブレーク』を発売」:2026年7月9日発表
- メルセデス・ベンツ日本「CLA with EQ Technology、CLA Shooting Brake with EQ Technologyを発表」:2026年7月29日発表
- Mercedes-Benz「CLA 2026 Owner’s Manual」:ディスタンスアシスト・ディストロニック、ステアリングアシスト、レーンチェンジアシスト等
- Mercedes-Benz Group「MB.DRIVE ASSIST PRO」:2026年1月7日発表
- GQ JAPAN 新型CLA 220試乗記事:2026年8月12日公開

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