ホンダから2026年5月22日に発売された小型EV「Super-ONE(スーパーワン)」。
かわいらしいN-ONE系のデザインを受け継ぎながら、最高出力を引き上げる「BOOSTモード」や仮想7段変速、BOSEプレミアムサウンドシステムなどを採用した、走りを楽しむためのコンパクトEVです。
この記事では、Super-ONEのボディーサイズや航続距離、走行性能、安全装備、快適装備について詳しく紹介します。
ホンダ Super-ONEとは?
Super-ONEは、軽EV「N-ONE e:」をベースに、全幅とトレッドを拡大した専用シャシーを採用する小型EVです。
車名には、従来のEVや軽自動車規格を超える存在という意味の「Super」と、ホンダならではの唯一無二の価値を表す「One and Only」という思いが込められています。
見た目は軽自動車に近いものの、全長3,580mm・全幅1,575mmで軽自動車規格を超えているため、軽自動車ではなく小型登録車として扱われます。
Super-ONEの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 2026年5月22日 |
| 車両区分 | 小型乗用EV |
| 駆動方式 | FF |
| 乗車定員 | 4人 |
| メーカー希望小売価格 | 3,390,200円 |
| 全長 | 3,580mm |
| 全幅 | 1,575mm |
| 全高 | 1,615mm |
| ホイールベース | 2,520mm |
| 車両重量 | 1,090kg |
| 最小回転半径 | 5.2m |
| タイヤサイズ | 185/55R15 |
価格は1タイプ・FFのみで、2026年7月3日時点では4WDの設定はありません。
Super-ONEのモーター・バッテリースペック
Super-ONEには、コンパクトなe-Axleと床下に配置された薄型リチウムイオンバッテリーが採用されています。
主要なEVスペック
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| バッテリー総電力量 | 29.6kWh |
| 一充電走行距離 | 274km・WLTCモード |
| 通常時最高出力 | 47kW・約64PS |
| BOOSTモード最高出力 | 70kW・95PS |
| 最大トルク | 162N・m |
| 交流電力量消費率 | 114Wh/km |
| 市街地モード | 86Wh/km |
| 郊外モード | 105Wh/km |
| 高速道路モード | 133Wh/km |
WLTCモードでの航続距離は274kmです。通勤や買い物を中心とした日常利用には対応しやすい一方、長距離移動では途中充電を含めた計画が必要になる場合があります。
なお、実際の航続距離は外気温、エアコンの使用、速度、渋滞、急加速、バッテリーの状態などによって変化します。
BOOSTモードで最高出力95PS
Super-ONE最大の特徴が、専用開発された「BOOSTモード」です。
ステアリングに設けられた専用スイッチを押すと、モーター最高出力が通常時の47kWから70kWへ上昇。70kWは約95PSに相当し、EVらしい鋭い加速を楽しめます。
BOOSTモードでは単純に出力が上がるだけではありません。
- 仮想7段変速
- パドルシフトによる変速操作
- 仮想エンジンサウンド
- 加速アニメーション
- 仮想タコメーター
- インパネイルミネーションの色変化
これらの機能が連動し、変速機を持たないEVでありながら、スポーティーなエンジン車を運転しているような感覚を演出します。
仮想7段変速とは?
Super-ONEに実際の7速トランスミッションが搭載されているわけではありません。
モーターのトルク変化や車内サウンドを制御することで、シフトアップやシフトダウン時の変速感を再現しています。SPORTモードとBOOSTモードでは、パドルシフトによるマニュアル操作も可能です。
走行シーンに合わせた5つのドライブモード
Super-ONEには、走行目的に応じて選べる5種類のドライブモードが用意されています。
| モード | 特徴 |
|---|---|
| ECON | 消費電力を抑え、航続距離を重視 |
| CITY | 市街地向け。シングルペダルコントロールを使用可能 |
| NORMAL | EVらしい滑らかな通常走行 |
| SPORT | 力強い加減速と仮想変速、サウンドを楽しめる |
| BOOST | 最高出力70kWと専用演出を使用 |
CITYモードでは、アクセルペダルを緩めるだけで減速し、停止まで行える「シングルペダルコントロール」が使えます。
発進と停止を繰り返す市街地ではペダルの踏み替えを減らせますが、安全に停止するため、必要に応じて通常のブレーキ操作を行う必要があります。
ワイドボディーと専用足まわりで安定性を向上
Super-ONEは、N-ONE e:をベースに前後トレッドを40mm拡大。トレッドは前後とも1,345mmとなっています。
さらに、次の専用装備を採用しています。
- 185/55R15ワイドタイヤ
- 15インチアルミホイール
- 前後スタビライザー
- アルミ鍛造フロントロアアーム
- 左右等剛性ドライブシャフト
- アジャイルハンドリングアシスト
- フロントベンチレーテッドディスクブレーキ
床下中央にバッテリーを配置した低重心設計とワイドトレッドを組み合わせ、コーナリング時や高速走行時の安定感を高めています。
充電時間は普通充電約4.5時間
Super-ONEは普通充電とCHAdeMO規格の急速充電に対応しています。
| 充電方法 | 充電時間の目安 |
|---|---|
| 6kW普通充電 | 警告灯点灯時から満充電まで約4.5時間 |
| 50kW以上の急速充電 | 警告灯点灯時から80%まで約30分 |
充電時間は外気温、充電設備、バッテリー温度、充電開始時の残量などによって変わります。特に夏季や冬季は時間が長くなる場合があります。
また、別売りの「Honda Power Supply Connector」を使用すると、最大1,500WのAC電源を取り出せます。アウトドアで家電を使うほか、停電時の非常用電源としても利用できます。
Super-ONEの安全性能
Honda SENSINGを標準装備
Super-ONEには、安全運転支援システム「Honda SENSING」が標準装備されています。
広い水平画角を持つフロントワイドビューカメラと、車体前後に配置された合計8個のソナーセンサーを使い、走行中から駐車時まで運転を支援します。
主なHonda SENSING機能
| 使用場面 | 主な機能 |
|---|---|
| 市街地 | 衝突軽減ブレーキ、歩行者事故低減ステアリング |
| 車線逸脱対策 | 路外逸脱抑制機能 |
| 標識確認 | 標識認識機能 |
| 高速道路 | 渋滞追従機能付きACC、LKAS |
| 渋滞時 | トラフィックジャムアシスト |
| 発進時 | 先行車発進お知らせ機能 |
| 駐車時 | 前後誤発進抑制、近距離衝突軽減ブレーキ |
| ペダル操作 | 急アクセル抑制機能 |
| 障害物確認 | パーキングセンサーシステム |
| 夜間 | オートハイビーム |
渋滞追従機能付きACC
アダプティブクルーズコントロールには渋滞追従機能が付いています。
設定した車速を維持するだけでなく、先行車との車間距離を保ちながら加減速を支援するため、高速道路での長距離移動や渋滞時の運転負担を軽減します。
さらに、LKASが車線中央付近を走れるようにステアリング操作を支援。低速渋滞時には、トラフィックジャムアシストがアクセル、ブレーキ、ステアリング操作を支援します。
ただし、これらは自動運転機能ではありません。天候や道路状況によって正常に認識できない場合があるため、ドライバーが常に周囲を確認する必要があります。
踏み間違い事故を抑える機能も搭載
Super-ONEでは、駐車場などでのペダル踏み間違いに備えて、次の機能を搭載しています。
- 誤発進抑制機能
- 後方誤発進抑制機能
- 近距離衝突軽減ブレーキ
- 急アクセル抑制機能
- 前後パーキングセンサー
急アクセル抑制機能は工場出荷時にオフとなっており、利用するには販売店での設定作業と別途セットアップ費用が必要です。
衝突時に備えた安全装備
運転支援機能だけでなく、衝突時の被害を軽減する装備も充実しています。
- 運転席・助手席i-SRSエアバッグ
- 前席サイドエアバッグ
- 前後席対応サイドカーテンエアバッグ
- 衝突後ブレーキシステム
- VSA
- EBD付きABS
- エマージェンシーストップシグナル
- 頸部衝撃緩和フロントシート
- 全席シートベルトリマインダー
- ISOFIX・i-Size対応チャイルドシート取付金具
衝突後ブレーキシステムは、事故発生後の車両の動きを抑え、別の車両や構造物への二次衝突被害を軽減するための装備です。
Super-ONEの快適性能
Google搭載9インチHonda CONNECTディスプレー
Super-ONEには、Google搭載の9インチHonda CONNECTディスプレーとETC2.0車載器が標準装備されています。
利用できる主なGoogle機能は次のとおりです。
- Googleアシスタント
- Googleマップ
- Google Play
- 音声による目的地検索
- 音楽やポッドキャストの再生
- 電話やSMSの操作
- 車内温度の音声調節
Googleアシスタントを使えば、ステアリングから手を離さずにナビやエアコンなどを操作できます。Googleアプリやサービスの利用には、通信プランまたはスマートフォンなどによるテザリングが必要です。
スマートフォンから充電や空調を操作
Honda CONNECTを利用すると、スマートフォンから車両の状態を確認できます。
主なEV向け機能は次のとおりです。
- バッテリー残量の遠隔確認
- 充電状態の確認
- 充電しない時間帯の設定
- 最大充電量の設定
- 最大電流量の設定
- 出発前の空調作動
- 車内とバッテリーの温度調整
- 外部給電の下限残量設定
出発時刻に合わせて空調を作動させておけば、乗車直後から快適な温度で走り出せます。充電中に事前空調を利用することで、走行用バッテリーの消費を抑える効果も期待できます。
BOSEプレミアムサウンドを標準装備
Super-ONEには、BOSEと共同開発した8スピーカーのプレミアムサウンドシステムが標準装備されています。
フロント・リアスピーカーに加え、荷室には20cmのサブウーファーを配置。Hondaによると、小型モデルへのBOSEプレミアムサウンドシステム標準採用はSuper-ONEが初めてです。
EVはエンジン音がないため、音楽をクリアに楽しみやすいのも特徴です。ただしSPORTモードやBOOSTモードでは、走行演出用の仮想エンジンサウンドも車内に流れます。
冬場にうれしい快適装備
Super-ONEには、次の快適装備が標準で備わっています。
- 運転席・助手席シートヒーター
- ステアリングヒーター
- フルオートエアコン
- 360度スーパーUV・IRカットガラス
- 遮音機能付きフロントウインドウ
- USB Type-C端子2口
- Hondaスマートキー
- 電子制御パーキングブレーキ
- オートブレーキホールド
- 7インチTFT液晶メーター
シートヒーターは2段階で温度調節が可能です。冬場はエアコン暖房だけに頼らず身体を直接温められるため、快適性だけでなく電力消費を抑える使い方にもつながります。
使いやすい後席と荷室
リアシートには、Nシリーズでおなじみのシートアレンジを採用しています。
ダイブダウン機構
後席の背もたれを倒すことで、荷室から続くほぼフラットな床面を作れます。長い荷物や大きな荷物を載せたい場面に便利です。
チップアップ機構
後席の座面を跳ね上げることで、高さのある荷物を後席足元に載せられます。観葉植物や背の高いバッグなどを立てたまま積みやすくなります。
後席は5:5分割式で、リクライニング機構も備えています。荷室床下には小物をしまえる収納スペースも用意されています。
Super-ONEの注目ポイント
Super-ONEの特徴をまとめると、次のようになります。
注目したいメリット
- BOOSTモードで最高出力95PS
- EVでは珍しい仮想7段変速
- 5種類のドライブモード
- 渋滞追従ACCなどHonda SENSINGを標準装備
- Google搭載9インチディスプレー
- BOSEの8スピーカーを標準装備
- 前席シートヒーターとステアリングヒーター
- 後席チップアップ・ダイブダウン機構
- 急速充電やV2H、外部給電に対応
購入前に確認したい点
- 軽自動車ではなく小型登録車
- 駆動方式はFFのみ
- 乗車定員は4人
- WLTC航続距離は274km
- 最小回転半径は5.2m
- 充電ケーブルやAC外部給電器は別売り
- 急アクセル抑制機能は販売店での設定が必要
- スペアタイヤは非搭載
Super-ONEはどんな人におすすめ?
Super-ONEは、次のような人に向いています。
- コンパクトなEVでも走りを楽しみたい人
- N-ONEのデザインが好きな人
- 通勤や買い物を中心にEVを使いたい人
- ACCや踏み間違い対策など安全装備を重視する人
- BOSEやGoogle搭載ディスプレーなど快適装備を求める人
- 自宅充電設備を設置できる人
反対に、4WDが必要な人、5人乗りを求める人、頻繁に長距離を走る人、軽自動車としての維持費を重視する人は、用途との相性を慎重に確認した方がよいでしょう。
まとめ
ホンダSuper-ONEは、実用性だけを追求したEVではありません。
最高出力95PSのBOOSTモード、仮想7段変速、アクティブサウンドコントロールを採用し、EVならではの加速に音や変速感を組み合わせた「運転を楽しめる小型EV」に仕上げられています。
一方で、安全面では渋滞追従機能付きACCやLKAS、トラフィックジャムアシスト、踏み間違い衝突軽減システムなどを標準装備。快適面でもGoogle搭載9インチディスプレー、BOSEサウンド、シートヒーター、ステアリングヒーターがそろっています。
航続距離はWLTCモード274km。長距離EVというより、普段の通勤や買い物、週末のドライブを楽しくするモデルといえるでしょう。

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